PROFILE

プロフィール

前橋 汀子(Teiko MAEHASHI)

日本を代表する国際的ヴァイオリニストとして、その優雅さと円熟味あふれる演奏で、多くの聴衆を魅了し続けている。これまでにベルリン・フィルを始めとする世界一流の多くのアーティストとの共演を重ねてきた。近年、小品を中心とした親しみやすいプログラムによるリサイタルを全国各地で展開。一方、バッハ「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ&パルティ―タ」、2014年からは弦楽四重奏の演奏会に取り組む。2004年日本芸術院賞。2011年春に紫綬褒章、2017年春に旭日小綬章を受章。使用楽器は1736年製作のデル・ジェス・グァルネリウス。
バー子ちゃん

自由学園の幼児生活団に入団、「正しい生活を身につけることが健やかな心身を育む」。4歳でバイオリンを始める。習い初めは1/8サイズのバイオリン「バー子ちゃん」。小学1年生になる頃、ロシア人のアンナ先生に師事。

両親

父より「バイオリンの練習があろうと学業をおろそかにしてはいけません」。母による手書きの譜面でバイオリンのおさらい。

アンナ先生

アンナ先生は困難な課題を与え、取り組む過程で何かを学ばせる。小学校5年生でヤマハホールにて初めてのリサイタル。

ソ連留学

1961年8月17日高校2年生の夏。横浜港発「モジャイスキー号」にて日本人初の留学生としてソ連・レニングラード音楽院へ。横浜→(船3日間)→ナホトカ→(鉄道)→ハバロフスク→(飛行機)→モスクワ・レニングラード(4日間)。

レニングラード音楽院

寮生活のルームメイトは、ラトビア出身のバイオリンのライヤとピアノのイーダ。口調はぶっきらぼうだが心は優しいライヤと親友に。

ワイマン先生

レオポルト・アウアー教授の孫弟子ミハイル・ワイマン先生の元で学ぶ。レオポルト・アウアー教授の弟子には、ヤッシャ・ハイフェッツ、エフレム・ジンバリスト、ナタン・ミルシテイン、小野アンナ先生など。多くのバイオリンの巨匠たち。

帰国

ソ連ではキモノを着て弾いた事も。1964年日本に帰国。18世紀に作られたイタリアのバイオリン「テストーレ」を手に入れる。

ニューヨークへ

1967年アメリカ、ニューヨークへ。ジュリアード音楽院に留学。チャンスをつかむために行動する。

ソリスト

1968年、指揮者のズービン・メータが音楽監督を務めるロサンゼルス・フィルハーモニックのソリストに選ばれる。1969年、イスラエル・フィルのソリスト。1970年、イギリス・ロンドン・ロイヤルフィルのソリストに。

シゲティ先生

ニューヨークの部屋は残したまま、スイスのモントルーへ。10才の時、日比谷公会堂で聴いたシゲティ先生のレッスンを受ける。巨匠シゲティの演奏の説得力は深い教養と知性から生まれることを知る。

カーネギーホール

1970年、巨匠ストコフスキーが指揮するアメリカ交響楽団との共演でカーネギーホールデビュー。母の手製の黒とゴールドのスパンコールのドレスで演奏。

スイス移住

1972年アメリカからスイスに移住。レマン湖畔のシヨン城近くの村。ここを拠点に演奏旅行。世界各地を飛び回る。

デル・ジェス・グァルネリウス

1982年、日本に帰国。コンサート、レコーディング等、精力的に活躍。2003年、ロンドンの楽器商で名器「デル・ジェス・グァルネリウス(1736年製作)」に出会う。

カルテット

2014年「前橋汀子カルテット」誕生。第2バイオリン久保田巧さん、ヴィオラ川本嘉子さん、チェロ原田禎夫さん。クラシック音楽を気軽に多くの人に親しんでもらいたい想いから2005年より毎年サントリーホールで「前橋汀子 アフタヌーン・コンサート」、2015年より池袋芸術劇場で「前橋汀子 デイライト・コンサート」を開催。